25.お砂糖は何からつくる?

フルーツや野菜には産地のブランドがあふれていますが、お砂糖の産地はどこでしょう。沖縄、奄美…あとは?なかなか浮かびませんね。

日本のお砂糖のもとは、オーストラリアやタイなど外国のサトウキビが6割。残りが国産で、うち8割が北海道産です。「えっ、寒い土地でサトウキビ?」いえいえ、北のお砂糖と言えば、原料作物はビート、別名はてんさい、サトウダイコン。新千歳空港に飛行機で降りていく時、パッチワークの畑のなかで目立って青々したピースがあったら、きっとそれはビート畑です。ジャガイモや小麦と同じ畑で交互に作るこの大きなカブは、ヨーロッパ北部原産。そのお砂糖が、洋菓子をおいしくしてきたのです。

ビートと旧植民地のサトウキビ、2つの原料に恵まれたヨーロッパですから、洋菓子には実にいろいろなお砂糖が使われます。

白いお砂糖は、黒っぽい蜜を取り除いて作る分蜜糖。サトウキビの含蜜糖(分離した蜜を使うお砂糖)は、カソナードなどといってコーヒーにも入れる茶色いお砂糖。ベルジョワーズはビートの含蜜糖で、タルトやパイ菓子にふりかけて風味を添えます。骨太で暖かみのある味のキビ砂糖は、焼き菓子やショコラをエキゾチックな味にまとめたいときに。真っ白なあられ糖は、中身のないプチシュー、シューケットに欠かせませんね。そういえば、アンジュのガレットやフィグのフィリングのお砂糖も、これからカソナードなどに変更を検討中だそう。これらのお菓子のファンなら、お砂糖の製法による風味の違いに気づかれるかも知れませんね。

白いお砂糖にはもうひとつ、飴という別の顔があります。ケーキを飾る飴細工は、少量の水と白砂糖を高温で熱したもの。お菓子の表面をパリッと香ばしくするキャラメリゼも、混じりけのない白いお砂糖を焦がすことで、キラキラと透明感が出るのです。お砂糖の純度が高いと甘さが舌に長く残らず、いわゆるキレのいい甘さになります。そこでアンジュではほぼすべてのお菓子に、特に純度を高めて微粒状にした「シュクレーヌ」というお砂糖を使っています。ほんとうは原価を心配せずに済むお菓子教室で使われるのですが、こんな風に見えないところに贅沢をしているのですね。すぐにはわからなくても、ふと思い出しては欲しくなる味わいには、お砂糖の働きも一役買っているようです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.